ロシア旅行(51)

※ロシア旅行(51)<六日目>-2004.10.1-

旧エルミタージュの、「初期ルネッサンスの間」へと入っ
て行く。 

初期ルネッサンスの間

 エカテリーナ2世の時代には、このホールにはビリヤ
 ード室があった。 現在の姿になったのは、19世紀
 半ばである。

 碧玉製の円柱、暖炉、ブロンズ飾りとはめ込み絵画
 のある付け柱が、インテリアに豪華さを加えている。

 ルネッサンス(1420~1600)は、まさに、近代の
 始まりである。 中世の封建社会においては、「個人」
 の存在などどうでもよかった。 この封建主義を抜け
 出て、「個人」という概念を創り出した時期である。

 初期の絵画は、従来の宗教画(イコン画)が中心であ
 るが、フィレンツェの巨匠ルカ・デッラ・ロッビア(1400
 ~1482)の作によるマジョリカ焼き(釉薬をかけた焼
 成粘土)のレリーフ彫りに見られるように、人間中心
 主義が全面に出てくるようになった。 やがて、レオ
 ナルド・ダ・ヴィンチの時代に、ルネッサンスの最盛
 期を迎える。

さて、次は、いよいよ待望の「レオナルド・ダ・ヴィンチ
の間」である。 

レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519年)

 イタリアのルネッサンス期を代表する万能の天才と
 して、広く知られている。 絵画、彫刻、建築、土木
 及び種々の技術に通じ、極めて広い分野に足跡を
 残している。

 彼の絵画に於ける作品数はあまり多くなく、しかも、
 半数以上は行方不明になっている。 そのうちの
 2点が、このホールで公開されている。

 『花を持つマドンナ』(1478年)は、天才的な巨匠
 の初期の作品である。 この絵は当時のイタリア
 では珍しかった油彩で描かれている。 伝統的な
 場面は、彼によって殆ど風俗画の様相で表現さ
 れている。 これは、まさに、幼子と遊ぶフィレン
 ツェの女性の姿である。

 『リッタのマドンナ』(1480年代初頭)も、彼の傑
 作の一つである。 息子(イエス)に最大限の愛情
 を注ぎながらも、物思いに沈んだ悲しげな眼差しは、
 あたかもこの子を待ち受けている将来の苦難を予感
 しているようである。

 この絵は、ミラノ公爵リッタのコレクションから入
 手したので、この名が付いた。

初期のルネッサンスの間・エルミタージュ美術館

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同上内イコン画・「聖母子」

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同上内イコン画

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マジョリカ焼きのレリーフ彫り

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追加画像は下記をクリックして下さい

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